AIの行動を、検証できるようにする。
AIが現実の作業を担うほど、「そのAIが実際に何をしたか」を後から確かめられることが重要になります。Novortechsは、その来歴・検知・復旧を担う低レイヤの基盤 ── NovorOS ── を構想・研究しています。
賢さの先にある、信頼という別の問題。
AIは賢くなり続けます。けれど、現実世界で行動を起こすほど、賢さとは別の問題が浮かび上がります。誰がやったのか。本当にそれをやったのか。壊れたとき、どう戻すのか。これらは知能ではなく、土台の問題です。
そして、この土台は中立であることに価値があります。出荷した本人が「ちゃんとやりました」と言うだけでは足りない。第三者が後から検証できる、公証人のような層が要ります。
大手のクラウド事業者は、自社サービスの当事者でもあるため、完全に中立な公証人にはなりにくい立場にあります。だからこそ、独立した会社がこの層を担う意味がある ── これが、私たちが基盤層に賭ける理由です。
不純性の受容
安全とは、完璧な防壁のことだと考えられがちです。私たちはその前提を置き換えます。ソフトウェアもAIも、いつかは必ず想定外の状態に入る。すべてを入口で止めきろうとするのではなく、何かが起きても「既知の正常な状態」へ決定的に戻れること ── それを安全と定義します。
検知して、記録して、戻す。NovorOSの三つの層は、すべてこの考え方を実装するためのものです。
三つの層で、戻れる状態をつくる。
NovorOSは、隔離・監査・監視を別々の高さに置いた三層のアーキテクチャです。目的は防壁の高さではなく、いつでも既知の状態に戻れることにあります。
プロセスの隔離(TEE)
TEEを使い、信頼すべき範囲(TCB)を最小化して、プロセス単位で隔離する。守るべきものを小さく保つほど、信頼の根拠は確かになります。
カーネルレベルの監査
何が起きているかを、カーネルの高さからリアルタイムに記録する。あとから「実際に何が行われたか」を辿れる土台をつくります。
ハイパーバイザからの監視
VMExitを使い、上の階層から仮想マシンの挙動を監視する。監視する側を、監視される側より深い場所に置きます。
※ NovorOSは構想・研究段階の基盤です。設計の詳細は、研究の進捗に応じて更新します。
机上の構想では、終わらせない。
この基盤は、研究・プロダクト・OSSがつながった一本の道として進めています。それぞれが別の役割で、同じ土台に向かいます。
研究
RAGワークロードをTEEで保護する(TCBの最小化、プロセス粒度の保護)という大学院での研究が、そのままNovorOSの設計に流れ込んでいます。
開発者向けプロダクト
Novor Boundary と Novor Gate は、基盤へ到達するための足がかりです。まず「観測」と「検査」から始め、「記録」「復旧」へと積み上げます。
OSSによる土台の公開
実行時の記録を深掘りするOSSを公開し、信頼の土台を「見える形」で示します。基盤層は、閉じたままでは信頼されないからです。
土台づくりに関心のある方へ
共同開発、研究連携、基盤層への投資など、長期の取り組みに関するご連絡を歓迎します。